他人之皿

投稿日:2013/04/10
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人が何を食べているのか。
気になる時もありますが、マナーで言えば直視はしない方が身の為です。
例えば高速道路のドライブインなどで「腹が減ったな」と思い何か食そうとした際には、
無駄にテーブルスペースを一周して皆が食べているものをチラ見し、
「やっぱ無難にかけそばだな」と、意味もなく再確認をしてから食べたりすることもあります。
または、かけそばを食べ終わってから返却口へ戻す際に、
無駄に一周して皆の様子をチェックしたりします。
セルフの場合には、なぜかちょっと見ても良さそうという空気があります。
また自分自身も「見られているけど仕方ない」という思いもあるので、
こういった場合のマナー度は少し緩めになっていたりします。
しかしこれがフランス料理店の場合は全く違います。
まず他の人の食べている所を直視するようなことはできません。
テーブルに案内される時も、見てやろうという気にはなりません。
これは店の雰囲気はもちろん、かかる費用などにより、
見て何かを確認しようと思う気持ちが出てこないからです。
ではラーメン屋だとどうでしょう。
1人に対して丼ひとつ、の構造が多いですので、見ようにも中々見ることができません。
「そう変わらないでしょ?」というのが、皆の共通思考だと思われます。
なぜチラ見をしたいのか、それは「確認したい」というのが大部分を占めています。
自分の発注品との比較、この店のラインナップを見たい、等です。
そんな中、一番やっかいなのが「和食店」です。
和食店は値段に幅があり、ましてや小鉢的なこまごましたものが多く登場するので、
何が入っているのだろう?と興味をそそられるのです。
先日、和食店に行きました。
私の通されたテーブルの隣にはおばさん達が座っていました。
予約をして、友人同士で食事会をしよう的な感じですが、まだ人数が揃っていませんでした。
すでにテーブルに用意されているお通し的な小鉢を前に、全員「待て」の状態です。
私は私で自分の食べるものを発注して「待て」の状態です。
おばさん団に動きがありました。
どうやら最後の一人が道に迷って辿りつけない模様です。
携帯で色々指示をしたり、店の外に出ていったりとバタバタしています。
そんな中、私の発注品が出てきました。
すると残ったおばさん団の視線が私の発注したコロッケに痛いくらい注がれます。
「おあずけ」状態で待つおばさん団の前で私はコロッケを食べなければなりません。
ものすごく食べにくい食事タイムです。
「コロッケやで? 別に大したことないんやで?」と心の中で発していますが、
おばさん団には伝わらず、私が食べ終わるまでずっと視線を感じていました。
そうこうしていると迷子のおばさんが到着し、おばさん団にもようやく食事タイムが訪れました。
私は今までの仕返しにおばさん団の食べるものを見てやろうと思いました。
テーブルに到着する料理をチラ見すると、私のコロッケとはずいぶん差のある雰囲気でした。
むろん、おばさん団は私の視線など微塵も気にしていません。
何か、負けた感があります。
やはりマナーは守るべきです。


カテゴリ:グルメ