風呂中布

投稿日:2013/03/28
pringles.jpg

風呂で体を洗う布は、何と呼ぶのが正解なのでしょうか。
私は『体を洗うタオル』と呼んでいますが、
果たしてこの名称が正解なのかは知りません。
一方、手を拭く小さな布を『ハンドタオル』、
体を拭く大きな布を『バスタオル』と呼ぶのは、
万人に共通する名称です。
おそらく、バスタオルが広まった時に、『風呂=バス』の意義が定着してしまい、
『バス-の後に体を拭く-タオル』が『バス-の最中に使用する-布』を凌駕してしまったのだと思われます。
考えてみれば可哀相な存在です。
それにどんなに親しい仲となっても、ソイツの家で風呂に入らなければ、
その人がそれらの布に対して、どう考えているのかが解らない点も見逃せません。
各家庭で違うからです。
ヘチマを干したカスで洗う家庭があったり、
ナイロン製であったり、ただのタオルだったり色々です。
個人毎に取り揃えている家庭があるかと思いきや、全員が同じなパターンも少なくありません。
泡立ちにこだわった網状の形態もありますが、
そういう凝ったモノを使ってる人こそ、
乾燥不足でかヌメっている事が多々あるのも世の常です。
私は新聞屋が置いてったタオルを使用していましたが、
ヌメヌメ感が酷くなりすぎて、
洗濯しても改善する気配も見せてくれなくなり、
やがては洗ってるんだか汚してるんだか解らなくなって捨てました。
それからタオルコーナーの手前に居た一つを大抜擢して、
日々使用する事にしたのです。
青いタオルでワンポイント熊の刺繍入りの可愛い奴です。
熊はヒグマ風で、両足を投げ出して腰を降ろして座っています。
しばらくは安定したバスタイムを満喫していましたが、
最近、熊の腰の下の布地が破れてきてしまいました。
毎回背中を洗う際に、ピンと張ると「ビッ」と音が鳴り、裂け目が広がります。
『もう限界だ。今日こそ替えよう』と決意をするのですが、
風呂を出てバスタオルに包まれると、もう忘れてしまいます。

石鹸をこすりつけては思い出し、
背中を洗って諦めて、
体を拭いて忘却の彼方へ

そんな毎日の繰り返しなのも、
あの布に名称が無いのが原因な気がしてなりません。


カテゴリ:企画会議