母校校歌

投稿日:2013/03/29
teflon.jpg

母校の小学校の校歌が変わっていました。
唯一歌える校歌でしたが、もうその学校は存在しないのです。
生徒数の減少に伴う合併で校名が変わったのは知っていましたが、
同じ場所に同じ姿で建っていましたので、
今まで気付かずに過ごしていました。
母校が無くなる非常事態なのに、
卒業生の私には何の報告・連絡・相談もありませんでした。
そう言えば同じ母校の中学校の方は、
校舎は既に取り壊されて、グランドだった所に介護施設が建っています。
その時も何の通達もありませんでした。
確か中学の卒業前に、グランドの片隅にタイムカプセルを埋めたのですが、
最早掘り返す事は不可能となりました。
しかし、様変わりっぷりがデカすぎるので、淋しさは皆無です。
一方小学校は、未だに当時の遊具や植木やネットなんかも残っているので、
「俺の学校は?」と錯覚して残念に思うのでしょうか。
中途半端に過去を維持されると、やはり郷愁に駆られますが、
面影ゼロ、となるとこちらも思いようがない訳です。
同窓会で15年ぶりに出会った初恋の人が、
ひどく様変わりしていた際に、少しでも面影があれば
「あの頃は可愛かったのに・・・」と思わずにいられませんが、
誰かすら分からないようになっていれば、別人として受け入れられるのです。
私の同級生のマツヨシは、通っていた小・中・高と全ての学校が廃校になり、
「俺の母校、全部ないんさ」と言った顔は、別段淋しそうではありませんでした。
ここまでくると、むしろ潔ぎよしとしか思いようがないのでしょう。
それよりも、私の知人は同級生と戯れで母校を訪ね、
当時の担任に運よく出会い、自分たちのことを覚えているか聞いたら、
知人のみ「この子は覚えていない」と言われました。
母校がなくなるより、こちらの方が淋しいのではないでしょうか。
学校の先生、優しいウソってあるんですよ。


カテゴリ:同級生