高級焼肉

投稿日:2013/03/15
maki.jpg

平日の午後に松阪の商店街を歩いていました。
超有名な焼肉店の前の道に、とある会社の営業車が停車しました。
ハザードランプすら点けずに我が物顔で乗りつけるとは不届きな車です。
見ていると、作業服を着たオッサンが車から降りて、その焼肉店へと足を進めました。
オッサンは玄関の自動ドアが反応しないギリギリの位置をキープしたまま、
入るでも無くジロジロと店内の様子をうかがっています。
道路に面した窓からも、しゃがんだり背伸びしたりをしていましたが、
残念ながらドア及び横の窓らは、格子戸に細工されているので、
ハッキリと確認するのが難しい様子でした。
やがて片目で格子戸の隙間に顔をくっつけて、中腰の態勢でのぞき見をしだしました。
益々もって不届きな輩です。
見様によっては、クリスマス時にショーウインドーのトランペットに憧れてる子供のCM風ですが、
シチュエーションが違いすぎて同情は無用です。
ひょっとすると「窃盗」「強盗」「放火」的な犯罪を企んでいるやも知れません。
勇気を出して声をかけるべきでしょう。
『オイ!オッサン!何しとんじゃ!』
と言いました。
ビクッと肩を震わせたのぞきのオッサンは、中腰のままで、45°コチラに向きを変えました。
おそらく身長は私より10cm以上は高い180後半で、体重は100kgはあり大柄、しかも坊主頭です。
オッサンは驚いてる様子でしたが、顔をマジマジと見ると高校の同級生でした。
私は高校は伊勢でしたので、松阪にコイツがいるのが不思議でしたが、
路上にて事情聴取をした所、
今は多気町の会社に勤めており、
会社の男性陣で金を出し合い、
ホワイトデーのお返しに高級松阪肉を贈る事になり、
なぜかソイツがパシリよろしく購入係になったのだが、
コチラの店舗で食事が出来るのは知っているが、
果たして食事のみなのか販売もしてるのか、
贈答用のラッピングは可能なのか、
かと言って予算オーバーの問題もあるので、
店に入って店員に聞く事も出来ずにのぞいていたと暴露しました。
私は『変わらんのー』と言って立ち去りました。
振り返ると、まだのぞいてました。


カテゴリ:同級生