時空伝説

投稿日:2013/10/13

スーパーの駐輪場でおばさん2人が立ち話をしていました。
いつもならばそんな光景を見た所で、
何も気にしたりしませんが、おばさん達の話の中で
「都市伝説」という言葉が聞こえたので私の中の何かが大きく心動かされました。
誰かを待つフリをしながら、おばさん達の会話にこっそり聞き耳を立てていました。
「何かね、都市伝説らしいんだけど、一瞬で変なところに行けるらしいのよ」
「どういう事?」
「私もね、よく分からないんだけど息子が言うにはね、
気が付くと誰もいなくて、困っているとおっさんが助けてくれるらしいのよ」
「おっさんが? おばさんはいないの? 私だったら困っている人助けるわよ」
「おばさんとは言っていなかったわ。おっさんなんだそうよ」
「おっさんだけ、ずるいわよね。 私たちだって助けるわよね」
「そうよね、おばさんだって何かあれば助けるわよね」
「それでどうしてそんな所へ行ってしまうわけ?」
「息子が言うには、急に行っちゃうそうなのよ」
「困ったわね。 私たちでも行っちゃうってことよね?」
「そうよね、急に行くことになったら大変よね」
「そうよそうよ、ご飯作ってる最中だったら大変よ、火事になるわ」
「本当よね! しかも風呂上がりだったらもっと大変よ!」
「風呂上がりは嫌よね、すっぴんだしね」
「できたら、そうね・・パーティーの後とかがいいわよね」
「結婚式とか? でもずいぶん結婚式とかなさそうよ」
「それより、おばさんは助けてもらえるのかしら?」
「そうよね、相手はおっさんだから分からないわよね」
「私も相手が福山雅治だったら喜んで助けるけどね、うちの旦那みたいだったらね」
「あははは! そりゃ放っておくわね!」
「でしょ? だから私たちも助けてもらえるか分からないものね」
「やっぱり普段からおめかししないといけないってことよね」
「私、都市伝説があるかもしれないから新しい服買ってもらうようにするわ」
「いいわね! 私もエステにいけるようにするわ」
「都市伝説も役に立つわよね」
「そうね、いいもんね都市伝説って」
たぶん、あなたたちは絶対どこへも行きません。
カテゴリ:出会い