恵方磁石

投稿日:2012/02/01
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恵方巻の季節がやってきました。
全国津々浦々の食卓で、一定方向を向きつつ丸ごとのり巻きを無言で頬張る奇祭が執り行われます。
ほとんどのコンビニやスーパーの店頭で『恵方巻予約受付中!』と堂々と呼び掛けています。私が小さい頃はそんな馬鹿な風習はありませんでした。
ちなみに、とある介護施設では正月にモチを咽に詰まらせた老人の為に掃除機の先を消毒してから食べさせると聞きました。非常事態には咽の奥のモチを吸い出すのです。
そこの所の恵方巻対策はどうなっているのか皆さん気になっていると思います。
ご安心下さい。恵方巻はまだまだ新参の祭ですから大丈夫みたいでした。

調べてみると、諸説ありますが、まず関西ののり問屋がのりの消費拡大を目論んで言い出したみたいです。
チョコ会社によるバレンタイン作戦に対抗した感じでしょうか。
一年間で最も寒い2月に、冷えた巻き寿司を食べさせる苦行とは。もう少し時期を考えるべきでした。
それとも刺身等のナマモノを巻くから寒い方が良いのでしょうか。
私事ですが、何年か前に恵方巻を10本程買った(買わされた)事があります。
その店は一本に付き一個の方位磁石がオマケで付いていました。
「きちんと恵方を確認しつつかぶりつけよ」とのメッセージだったんでしょう。
10個の方位磁石の針は揃って北を指し示しています。ユラユラ揺れる針の赤と赤く塗られたその年の恵方のコントラスト。
何故か腹が立って仕方ありません。
結局その日の夜から、朝、昼、夜、無、昼、無、無、昼のヘビーローテで10本の恵方巻を消費しました。
ローテ後半は米がカピカピでカップ麺等の汁物と一緒でなければ飲み込めませんでした。
残った10個の方位磁石は燃えないゴミの日にまとめて捨てました。
思えばそれが恵方巻からの卒業でした。

今年の恵方は北々西です。


カテゴリ:グルメ