立入禁止

投稿日:2012/11/29
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カバと住んでいる老夫婦がいました。
洪水で濁流の中、あっぷあっぷと溺れそうな状態で泳いでいた子カバを、
レンジャーの夫が助けたのが始まりです。
夫婦の看病の結果、子カバは元気を取り戻しました。
そのうち二人にも心を開いて懐き、餌をねだったりして甘えだしました。
今では随分と大きく育ちましたが、まだ家の中をウロウロしています。
婦人が料理をしていると、キッチンにやってきて大口を開けます。
婦人はキャベツを、その口へ放り込みます。
二噛みで飲み下すと、再度大口を開いて待ちます。
あきらめ顔の婦人は、今度はジャガ芋を放り込むのです。
そんな番組を見たので、想像の世界で私もカバを飼う事にしました。
カバは普段は玄関に寝ています。
お客さんが来て扉を開けると、その度に外へ出たがるので首輪を引っ張ります。
風呂場は狭いですが、湯舟には年中水を張ってあります。
あまり勢いよく潜られると水が溢れるので、ユックリと入る様に躾ねばなりません。
プライバシーは大切にしたいので、私の寝室は立入禁止となってます。
しかし、私が出かけると鼻で戸を開け侵入するでしょう。
ベッドに登ってうたた寝をしています。
玄関の鍵がガチャガチャと鳴って、私が帰ってきました。
慌てて寝室から飛び出し戸も鼻でソッと閉めて、
台所辺りで出迎えて誤魔化そうとしましたが、
私が寝室に行くと、ベッドに赤いシミがあったのでばれてコッテリと怒られました。
カバの汗は赤いのです。
そのまま野良カバになりました。


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