湯五十度

投稿日:2012/10/04
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しなびた野菜をよみがえらせる方法、
それは50℃のお湯で洗う事だそうです。
50℃は細胞膜が壊れないギリギリの温度で、
レタスなどの葉物の野菜はそのギリギリ加減で細胞が開き、
水分がとりこまれシャキッとするんだそうです。
味が良くなるうえに、汚れや虫が落ちやすいという効果もあるようです。
他にも肉や魚でも、この50℃洗いは効果があるのだそうです。
しかし、お湯の温度が43℃以下になってしまうと反対に菌が繁殖しやすくなる
ので、
常に50℃を保つように注意をしなければならないそうです。
もう、この時点で私の気持ちとしては「面倒くさい」の一言に尽きます。
まず、用意をしなければならないのは温度計です。
そもそも、家にある温度を計る道具は体温計しかありません。
わざわざ調達をせねばならないわけです。
その上、温度を保つために傍らに熱湯を準備しつつ、洗うという作業。
「熱すぎた!」水を足し、
「しまった、温度が下がった!」熱湯を足し、
「また熱すぎた!」
と言っている間に刻々とレタスは生気を失っていくわけです。
もう、レタス炒飯でいいじゃないか。
もしくはレタススープでいいじゃないか。
もっと言えば、レタスにそうまでしてシャッキリ感を追求しなくても良いではな
いか。
シャッキリ感はレタスで言う所の10代〜20代の若い時分な訳です。
青春を謳歌して、トマトやらキュウリやらとの交際に励めばいいのです。
冷蔵庫でしんなりしたレタスは、言わば30代〜50代の頃合いです。
今までとは違う、「熱」というものに身をまかせても怖くない時代です。
意外にご飯との相性がいいんだって、自分の新たな扉を開けるんです。
みんな、それぞれの時代に合った生き方があるわけです。
そしてふと気付きました。
老人たちがなぜ、熱いお湯を好むのか。


カテゴリ:グルメ