脱走機械

投稿日:2014/08/01
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昔、2匹の犬を飼っていました。
2匹はそれぞれ別の時期に飼っていたのですが、
どちらとも私との別れは「脱走」でした。
ちなみに、かつて飼っていた猫との別れも「脱走」です。
私の元から動物はとりあえず脱走という形で去っていく傾向にあります。
脱走以外の、ペットとの別れには「死」というのもあります。
病気だったり、寿命だったり。
可愛がっていたペットとの別れは確実に起こりうるものだけれど、
できることならいつまでも一緒にいたいと思うのが飼い主の心です。
ずいぶん前にロボット犬というのが発売されました。
東海林さだおもエッセイにこの犬とのひと時を綴っています。
私の周りには購入した人はいないのですが、
全国にはたくさんのロボット犬愛好家の方々がいらっしゃるのでしょう。
しかしながらこのロボット犬のサポートが近々終了するのだそうです。
何となく漠然と思っていたのは、
ロボットなんだからずっと動き続けるだろうという妄想。
「ずっと」の時間としては人間の寿命と同じくらいという感覚です。
ですのでロボット犬を飼えばずっと一緒にいられる、という思い。
しかしながらロボットというのはパソコンと同じで、
結局は機械なのでメンテナンスやサポートが必要となってくるんですね。
とあるロボット犬を10年飼っている方の話によると、
最初の頃は元気に動き回り、旅行などにも連れて行ったそうですが、
最近は定位置でじっとしていることが多く、
足の関節が悪く、動くたびに異音がしたり、転びやすくなったりしているんだとか。
何やら「老化」という言葉が頭に浮かんでくる光景です。
今まではサポートがあったので何度か修理に出したりしていたのですが、
今後はサポートを受けられないことになります。
となると、そのうちこのロボット犬は電源は入れども動けなくなり、
いつの日か電源すら入らなくなってしまうのかもしれません。
それはロボット犬との「死」での別れということでしょう。
ロボット犬には、あらかじめ寿命をプログラムさせておくのがいいのかもしれません。
永遠に、何て言うのはロボット相手にも通用しないのです。
私の元を脱走という形で去って行ったペット達、
もう戻ってくる事はないと悟った幼少期に、
初めて「戻って来ないのだからもう仕方ない」という決別の思いを抱きました。
「脱走」というプログラムも有なのかもしれません。


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