旅行土産(2)

投稿日:2014/03/23
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※昨日からの続きです。Yからのメールの途中です。

園内を十二分に満喫した後、僕達は土産物を扱う売店に入り、
そこで僕は「オッパイマウス」を見つけました。
見本のオッパイマウスを手にした僕に、
売り子のババアは「レッツクリック!レッツクリック!」と
呪詛の言葉でも呟く様に繰り返しました。
右のオッパイを押せば右クリック、左のオッパイを押せば左クリック。
当然、本来の僕なら買う筈もありません。
ただ、その時の僕はハイテンションでした。
これを職場で使いこなせば面白いのじゃないか、と思いました。
取引相手とギリギリの値交渉を続ける受話器を片手に、
もう一方の手ではオッパイマウスをクリック。
正直、「ちょいワル」という言葉が頭に浮かびました。
厄落とし旅行という事もあったのか、
『オヤジだからって舐めんじゃないよ』という気持ちで一杯になりました。
気持ち良くババアとの会計を済ませた僕に、
Rが「本当に買うたんか!?」と
ちょっとビックリした苦笑いの表情を浮かべたのが少し気がかりでしたが、
僕はとても良い買い物が出来たと満足でした。
その後、日本に帰国し、自宅でスーツケースの整理をしている時、
オッパイマウスが目に入りました。
通常のテンションで見たソレは衝撃的な代物でした。
もし職場でソレを使いセクハラで訴えられたなら、
100%敗訴するであろうデザイン。
舞台がアメリカなれば、
5億ドルの賠償金とかいう判決が出たとしても不思議ではない流線型のフォルム。
その後、家族に一応見せてみてビックリするぐらいに引かれてからは、
スーツケースの奥の方に封印していました。
さて先日、Sが僕の家に遊びに来た時に、
取り置いてあったマカダミアナッツチョコを空腹とのことで勝手に開封し、
ほぼ全て食べてしまいました。
Sは「別に土産は渡さんでもええわ」と言いますがそういう訳にもいきません。
「海外旅行のお土産はマカダミアナッツチョコ」が
ポリシーである僕としては慙愧に堪えませんが、
この度、スーツケースの封印を解く事としました。
品物は変わりましたが、また近く通った際には寄って下さい。
できればいつもより少しテンション高めでお越し下さい。』

文章の中のアルファベットは、全て四十男性でした。
中でもY君は、私やSとは違って、本当に律儀で出来た大人なんです。
ただただ変な人なんです。


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