種子応酬

投稿日:2011/10/12


小学校からの帰り道に、植物の種子を採っては人にくっつけて遊んでました。
もちろん「くっつけ」「くっつけられ」の応酬です。
初期の頃は緑色で、やがて茶色→黒と進化します。緑や茶色の時は服についてもポコッと簡単に取れて反撃に使えるのですが、黒はいけません。
バラバラに分解して尖った先っちょで服に食い込みます。お気に入りを着ている女の子なら簡単に泣かせる事が出来る程の破壊力を持っていました。
その種子を私の地元では『ドロボー』と呼んでました。
おそらく泥棒からでしょうが由来は解りません。
隣の地域では『ひっつき』と呼ばれていて、こちらの方が正解な気がしたものです。
ある日、私は緑や茶色から黒を育成する決意をしました。
なぜならパワーが桁違いだからです。
その方法は緑と茶色をテンコ盛りに自宅の机の引き出しに入れとけば自然と黒になるハズというものです。
決行の日、チマチマ採るのが本当にめんどくさかったので茎丸ごとを一番下の深い引き出しに入れて封印し良しとしました。
春になって私の部屋はミニかまきりで溢れかえりました。
茎に卵があったのです。
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