妹牡蠣殻

投稿日:2011/12/28
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小さい頃、貝が苦手でした。
イソモン(おそらく磯物が語源なんでしょうか)と言う巻き貝を、誰かが家に持ってくる度にイライラしてました。
イソモンは醤油味に丸ごと煮て、マチ針を駆使して貝殻の中の身を食べます。
そのチマチマっぷりが嫌いになった原因です。
針を指に刺し、そこへ貝汁(イソモンエキス)が染み込みます。
幼子が「これ拷問」と受け取ったとしても、何ら不思議では無いでしょう。
やがてイソモン以外の貝全般が嫌いになってしまいました。
そんな貝嫌いな私が小学校高学年の時、妹と二人で近所の海へ散歩に出かけました。
妹は私より4つ下です。
ガキ丸出しで「ワー」と叫んで、岩場に走って行くので「アカン」と監視してました。
波打ち際の岩場には小さな天然の牡蠣が繁殖しています。
「あれ何?」
「牡蠣やんけ」
「食べれる?」
「そりゃ食べる奴もおるやろ」
「あれ食べたい」
仕方なく、石で牡蠣の殻を壊して、小さな身を取り出してあげました。
潮でササッと濯いで口に入れ「美味しい」と言いました。
その後、妹はちょくちょく一人で海へ行っては牡蠣を食べてました。
影響されて私も食べれる体質になれました。
その年のクリスマスに妹がサンタにお願いし、見事に贈られたプレゼントは『ちょんちょん』と言う名の牡蠣をとる工具でした。


カテゴリ:グルメ