稲川口調

投稿日:2014/08/30
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夏も終わりに近づいてきた、かと思うくらい、
一時より朝晩が涼しくなりました。
涼しくなった結果、いつもより眠気が増す毎日です。
涼しいのでこれ以上涼しくならなくてもいいですが、
ここで稲川淳二の話をしたいと思います。
夏の季語にもなった稲川淳二と言えば、怪談です。
こないだとあるテレビで稲川淳二の怪談がやっていたので見てみました。
和ろうそくの灯りが、ぼわぼわと漂う中に稲川淳二が座っています。
頭上から青いライトをあて、わざと顔色悪くしているのか、
元々顔色悪い人なのか分かりませんが、
そんなような面持ちで喋っています。
ただ、ひとつだけ難点があります。
それは稲川淳二は「何を喋っているのか分からない」という点です。
早口であることや聞き取りにくい喋り方であることが挙げられるのですが、
最近のテレビの傾向としては、聞き取りやすい人であっても、
下にテロップが出るパターンが多いです。
RPGみたいな感覚ですね。
きっと、この番組もそうであろうと思ったのですが、
何と稲川淳二にも関わらずテロップゼロだったんです。
これはもう、自分の耳の能力に100%頼らなくてはなりません。
テレビを付けた時、番組は途中でしたので、
話も途中からの参加となります。
何となく全体像がつかめてきたのですが、話の核心には一向に進みません。
寄り道と言いますか、情景をなぞることが多く、
聞き手は一生懸命、話の中の人物と情景を想像し、くっつけて、
更に話を盛り込んでと言う作業をしているのですが、
新たに細かなディティールを盛り込んでくるので追いつくのに必死です。
なおかつ、何を言っているのか分からない為、必死になって喰らいつくスタイルです。
その上、効果音なども自分の口で発する為、口元が気になって仕方ありません。
色々な事に神経を使いすぎるせいか、核心部分の「怖い内容」については、
話をしているのにも関わらず、必死さが勝って全く話が入って来ません。
結局「ちょっと遠くまで軽くジョギングしてきたな」的な疲労感がうっすら残っただけでした。
稲川淳二の怖さは、決して話だけではないんだな、と悟った日でした。


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