烏賊徳利

投稿日:2014/06/16
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自分の中の一番のエコは出されたものは全部食べることです。
そもそも残すのがあまり好きではないので、
多少無理をしてでも食べるようにしています。
カマスの干物などは、焼いて食べるよりも揚げて食べた方が、
頭からしっぽまでキレイに食べられるので、そのように調理します。
世の中には食べられる食器なんかもあります。
食品で作られた食器は、料理を食べ終わったらそのまま食器も食べて、
すべてなかったことにできます。
果たしてそれがエコなのかどうかはさておき、
昔からある「食品=食器」の代表として「いかとっくり」があります。
いかの胴体で「とっくり」と「おちょこ」を作った商品で、
酒を入れて飲んで、また食べたりして楽しむものですが、
イカの気持ちになって考えてみました。
当人としてはまさか自分の胴体に酒を入れられるとは思わない事でしょう。
中が空いているからと、飯を詰め込まれたり、肉を詰め込まれたり、
はたまたその空洞を利用して酒を入れる容器にされてみたり。
ちょっと待て、と。
いくらなんでもひどすぎやしないか、と。
空いているからといって詰めるもんじゃないだろう、と。
たとえば近い親戚みたいなタコに至っては、
同じように中が空いていれども詰めようと考える人はいません。
よくよく考えるとイカというのは結構切ない調理方法が多いです。
まず頭に浮かぶのは屋台で売られているイカ焼。
イカの形を残しつつ、縫い串を打たれ鉄板で焼かれます。
イカそうめんなどは細かく切られ、すすられます。
一度引き抜かれたワタをもう一度戻されて焼かれる事もあります。
タコの方はというと、薄くスライスされるかブツ切りのどちらかくらいです。
そして何より「タコしゃぶ」という立派な料理がタコにはありますが、
イカはメインを張るような料理がありません。
話は逸れてしまいましたが、
いかとっくり、乾燥してまで何かを入れられるイカに、
これからも頑張ってもらいたいと思う気持ちと同時に、
いかとっくりって、結局飲みづらいって思われてしまう、
そんな淋しい結末をイカは果たして知っているのでしょうか。


カテゴリ:グルメ