牛丼情報

投稿日:2013/05/31
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先日、お昼に牛丼を食べました。
混み合う店内でカウンターに案内され、
メニューも見ずに注文を終えてから周りを見ると、
客の大多数がスマホをいじりながら、
待ったり食べたりしていました。
画面を指で弾きながら、眉間にシワを寄せたり、ニヤついたり、もちろん頬張ったり、飲み込んだりの軽作業を行っていました。
折りたたみ携帯所持の私と、携帯さえ持っていなさそうな爺さんの二人だけが、
何もせずに椅子に佇んでいました。
なかには、友達同士で来店した若い男性が、
連れ合いがいるにも関わらずスマホを各々いじっていました。
お互いがスマホで喋り合っている訳ではなさそうですし、
目の前にいるのにスマホで喋り合われても、こっちとしても困ります。
牛丼を待つ間は、「手持無沙汰で暇を持て余してまして」の言い訳が解らないでも無いですが、
目の前に牛丼がスタンバったら、少なくともその牛丼に集中すべきなのです。
スマホユーザーの八割が知らない事らしいのですが、
実は、牛丼を食べる時は別に手持無沙汰などではないのです。
むしろ、牛丼は稀に見る非常に忙しい食事形態なのです。
その事実を理解している私などは、その準備の為の緊張感やらプレッシャーやらをも、
味わう為に来店していると自負している位です。
どうしてなのかを説明しようとした時に、目の前に牛丼が運ばれて来ました。
箸の準備以前に、まずすべき事は、
牛丼をよく観察する事です。
時間帯によっては、煮詰まった場合や薄炊きの場合があるのです。
どちらでも美味いのですが、口にする前に「今日はこのパターン」の準備を、舌やら食道やら胃やらに促さねばならないのです。
この場合は肉の色や玉ねぎのヘタリ具合を見極めて、
経験に基づいた精確なインプット力が求められます。
更に米のツヤで炊いてからの経過時間も読み取り、インプットします。
一口分を口に入れて、インプット情報を上書きし、アウトプットを行い促します。
それに牛丼はぱっと見の外見だけでは、ご飯の量を計り知ることができません。
ただただ食べてる風を装いつつ、もくもくと食べ進めながら、
アクセルとブレーキとクラッチとサイドブレーキを操るが如く、
肉とご飯の量を加減しながら、
時には紅ショウガのアクセントを加えながら、
七味唐辛子の追加を投入しながら、
時にはお茶や水でリセットしながら、
最後の一口に最高のバランスを持っていくように食べる食事なのです。
思いのほか、忙しい知略的な要素を含んだものなのです。
スマホなんかをいじっている場合ではないのです。
スマホいじり隊の食事は案の定はかどらず、
すばやく食べれる牛丼にかなりの時間をかけ、
後から入った私に先に会計を済ませられるハメになったのでした。
ただの早食いなのかも知れませんが。


カテゴリ:グルメ