金木犀道

投稿日:2013/10/05
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ニュースで「今年は松茸が豊作です」とやっていました。
もうすっかり秋になりました。
スーパーには秋刀魚が並んでいます。秋刀魚は目が澄んでいて、口の先が黄色いのが美味いんだそうです。
実家から貰った新米を、新米のうちに消費したいので、
ガンガン炊いて頬張る日々を過ごしています。
天高く馬肥ゆるを、忠実に再現しそうな勢いをヒシヒシと感じています。
半袖シャツから長袖、そして上着着用の、
着るモノの変化の早さは一年を通してもピカイチでしょう。
先日、窓を開けて車を走らせていたら、金木犀の香りがしました。
日本には四季があり、それらの季節ごとに景色だけで無く、
香りまで変わるのですから、本当に美しい国だと思っていました。
あまりにも気持ち良かったので、
その日のお昼ご飯は、金木犀の木の下で食す事としました。
新米のご飯を食べていると、運転中よりも、金木犀の香りが一層濃く漂ってきます。
鼻と胃袋で秋を満喫する私。
そしてある事に気付きました。
金木犀の香りは、便所の芳香剤の香りと同じという事に。
友達がいない学生が、トイレで昼食を食べるという話題がありましたが、
期せずして今の私がまさしくその状態です。
トイレで食べるご飯が、美味しいハズがありません。
何だか食欲が一気に無くなり、
金木犀が憎くて憎くて仕方ありませんでした。
正確には、芳香剤で便所に良い香りをつける為に金木犀を採用したのですから、
金木犀を責めるのは間違いなのです。
そんな理屈は十ニ分に分かっているのですが、
祖母の家の芳香剤が万年金木犀の香りだった事もあり、
これ以上の飲食行動は無理と判断して、そっと弁当箱のフタを閉め、金木犀に蹴りを入れたのでした。
「金木犀=良い香り=芳香剤=便所=嫌な匂い」の公式の誕生です。
もし、祖母の家の芳香剤が秋刀魚を焼く香りだったら、
「秋刀魚=良い香り=芳香剤=便所=嫌な匂い」となり、
松茸だったのなら、
「松茸=良い香り=芳香剤=便所=嫌な匂い」で、きっとどれも食べられない身体になったのでしょう。
そう考えると、長い間芳香剤業界は、
金木犀に対して、何とひどい罪を犯しているのでしょうか。
そして、そのむごい仕打ちはこれからも続いていくのです。
いっその事、金木犀は今の自分の置かれている立場を逆手にとって、
ダイエット業界に参入するのが良いんじゃないでしょうか。
うかうかしてると、より強烈過ぎると評判の「栗の花」に先を越される気がしてなりません。


カテゴリ:企画会議