素頓伯母

投稿日:2014/09/07
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伯母さんと久しぶりに会いました。
母の姉にあたる人で、幼い頃から素っ頓狂な印象があります。
ずっと漁師町の漁港の横で食堂をやってましたが、この三月末に「体力・気力の限界」と千代の富士と同じ台詞を持って閉店しました。
小学生の頃は、『時給100円+食事+ネクター』で皿洗いをさせてもらっていた食堂です。
相変わらず方言丸出しの上に、パー子並の誘い笑いで完結するトークを炸裂させていました。
何年か前に、妹の結婚式があった多度大社で、「樽やもんで木の香がして美味い、アンタも呑みな」と何杯もマス酒を飲み干し、
帰りにタクシーの車内と着物をゲロまみれにした彼女ですが、
最近は痴呆に恐怖を感じているんだそうです。
朝に目覚めて、日めくりカレンダーをめくって、朝食を作るんですが、朝食を食べた後に又カレンダーをめくりますので、
ゴミ箱から拾ってセロテープで貼り直す日々だそうです。
耳の薬も、服用したんだかしてないんだか分からなくなり、
結局飲まないままに病院へ行って、更に処方されて持て余しています。
私が高校生の時に、下宿先に母と二人でやってきて、
勝手に部屋の掃除をしてくれた事があります。
洗濯物を済と未に分け、枕の下のサバ缶を捨て、タンス下のコンドームを並べ立ててくれてました。
「頼むから、俺がいない時に来ないでくれ」と頼んだものです。
その後もオデン屋や炉端焼屋へ連れてってもらい、妊娠と責任についてやお酒の楽しい飲み方を教えてくれました。
聞けば70歳で、お互い様ですが時の流れを感じてしまいます。
30歳くらいから奇妙な夢を見るようになり、あちこちの寺や神社を訪ねてるんだそうですが、
面白いんですが、ここには書けないと言うか笑いに昇華できない内容で残念です。
「趣味を見つけたい」と言いましたので、「写真」「旅行」「岩盤浴」を提案しましたが、全くのスルーでした。
その日は鰻屋で冷酒を呑んでたらしく、「11時やったもんで呑んどんのはアタイだけやった、ハハハ」と言い残して帰ってしまいました。
どうぞお元気で。


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