突撃婦人

投稿日:2012/12/24
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所用で少し遠い所に行った時、ごはんを食べにとある店に行きました。
そこは鮮魚店が営む食事屋さん、といった感じで
中に入ると常連さんと思われる人がすでにできあがった感じでいました。
その日に帰らねばならない私は、
刺身やらと共に酒を呑む彼らにうらやましさを感じながらも、
お茶と定食で我慢をしていました。
すると私の席の後ろから何やら声が聞こえます。
「○○クリニックにおったやろ?」
私は、声は聞こえども後ろの席のグループ内の会話と思い無視をしていました。
そしたら今度は「ちょいちょい」と言った感じで肩をつついてきました。
振り向くと、こちらもできあがったご婦人が
「○○クリニックにおったやろ?今日。」と言われました。
初対面のご婦人に聞いたこともないような病院名を言われ、
おったやろ?と言われても何のことかさっぱり分かりません。
「知らないです。 行ってないです。」と告げると、
「ほんとぉー? よく似た人がおったもん、入ってきた時から
そこにおった人やって思ったんやもーん」
と、笑顔で言われましたが違うものは違います。
「いませんよ」
ここで私はピシャッとドアを閉めるくらいの気持ちで返答しました。
これ以上、こちら側に入ってくるなという意思表示を示しました。
そういう態度を取れば、介入してくる人はほとんどいませんので、
落ち着いてまた食事に取りかかりました。
煮付けと格闘をしていると、また何か声が聞こえてきました。
そして同じように「ちょいちょい」と肩をつついてきました。
何やねん!むしろあの状態でまだ声掛けてくるってありえへん!と思い振り向くと、
「じゃあさ、役場の近くの○○ってラーメン屋さんにおったよね?」
「・・・」
「役場の近くのラーメン屋って○○って名前やったよね?」
「・・・」
ふと冷静になって考えてみました。
この人の最初の発言には決して「知り合いに似ている」と言った要素がありませ
んでした。
ではなぜ、こんなに人に話しかけるのか。
ご婦人の意図は分かりませんが、歳を経た人の「無邪気」には
どうしたって抵抗できない事に気付かされました。
最終的には「分かりませんよ」と笑顔になっている自分もいました。
ご婦人はその後、無邪気さ全開で別のテーブルの所の氷を
「ちょっともらってもいい?」と言って、自分のグラスに入れていました。
無邪気最強説が出来上がった瞬間でした。


カテゴリ:グルメ