喫茶哀歌(1)

投稿日:2011/02/09


読者投稿の大河ドラマ復活のお便りが沢山寄せられる中、いよいよ新ドラマ(やらせ)がスタートします!
色々と危険なので、これは作り話です!
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喫茶店でとうとう、望んでいたけど現実になったら悩みの種になった、そんな出会いがありました。大金持ちとの出会いが。
相手は昭和十四年生まれのおじいさんです。その人を仮にKさんとしましょう。
とにかくこの話は、数年に一度、おじいさんに気に入られるという宿命を持つ、平安時代のような古くさい顔をした人間が体験した実話である。
私がホールを練り歩いていたら、Kと目が合いました。Kが、「君は、何を目指してここで働いてるの」と聞いてきました。ここで私がヘラヘラとでも笑って何も言わずにごまかしておけば何も起こらずに済んだであろうところ、何かこのじいさん、でかい人脈ありそうだわとか汚い計算が働いた結果「小説家になりたいです」とかほざいてしまったわけです。そしたら、「だったら協力するから明日うちの会社に来なさい」と、名刺を渡してきました。
で、まじかーとか思って、まあ次の日に行く程わたしも人を信じてないですから行かなかったのですが、それから二日たったらまたKが来て「とにかく明日、僕に電話をしてきなさい」と言って、コーヒー二杯、カレー一杯食して帰っていきました。
この電話をかけてしまったら何かが始まってしまうぞーと思ってはみましたが、何だか自分で自分の成長を確かめたいような気持ちでKに電話をかけました。
で、翌日、出勤まえにKの会社へ行く約束をし、実際、行ってきました・・・。まあ、予想よりは全然いい人ですし、桁違いの金と人脈の持ち主だったわけですが、あまりにもすぎて怖過ぎる・・・!今日のKのスケジュールも、午前中○ーニ○グプロの社長と会う、昼、○○(言わずと知れたわたくし)と会う、夜、モンゴルから帰国した朝○龍と会う、、、という、明らかにおかしなサンドイッチ・・・。
そもそも○ーニ○グの○○って、○○○では!?朝○龍って、暴君では!?そんな疑問を、投げつけてみました。すると、○○は本当はおとなしくていい奴、朝○龍は広い土地で育ったんだから、日本の狭い風土で彼の性格を当てはめてはかわいそうだとの回答。そして会社を出て中華料理屋へ連れて行かれ、なぜかそこでKはおもむろに朝○龍に電話をし、私に何か話せと言いましたが、私は何も朝○龍に伝えたいことがなかったので「結構です」と言いました。自分の、こういうミーハーじゃないところが立派だな、なんて自分で自分を褒めてるうちに、KもKで私のことをどんどん賞賛してきています。Kはとにかく私を気に入っており、私の人格も自分の都合のいいように勝手に作り上げていました。
その私の性格というのが、「何でも話せる友達がいないから、ワシがその相手にならなければ」というものと、「自分をさらけ出すのが苦手だろうから、このままでは小説家になどなれない。まずはワシがこれまでの人生を全50回くらいにわけて伝えて信ぜよう。その後お前さんもさらけ出すがよい」というものでした。どちらも却下しました。で、「何でも話せる友達っていうか、むしろ5年間つきあっている人がいるし(←ウソ)」と、「昔ヤンキーで荒れてて、今はそのことを反省しているから、自分をさらけ出すのはやめているだけ(←ウソ)」という二つの設定で納得させることに成功しました。いや、成功したと、思い込んでいたのだ。
何もしていないのに、笑顔で五万円を渡してきたのだから・・・。







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